「明星」で佐藤勝利くんのアイドル短歌を詠んだので解説してみた
地に足ついたままでは出会えない誰かと出会いたい。と歌っていたら、アイドルと短歌の畑から、芦屋こみねさんとお友達になって、彼女の主宰する短歌結社の会員になりました。小指と申します。よろしくお願いします。
私もやってみたいと軽々しくくちにしたのに快く受け入れていただいて、こみねさん並びに会員さんに感謝しています。
ここでは短歌結社「明星」の歌会に寄せて自分の歌について書きたいと思います。
短歌結社「明星」についてはこちら (のんびり短歌結社「明星」発足のお知らせ - こみねもすなるだいありー)をご覧になってください。
歌会第一回のお題は「佐藤勝利」くんでした。
百の言葉でも億の言葉でもその美しさは表せず、全人類の隠し持つ詩人のパトスをがっつりつかんで離さない、圧倒的で暴力的なまでの美しさを持つ男の子。そして、新しい時代を創るアイドルグループSexyZoneの絶対的センター。しかしその中身は車やメカが大好きなふつうのDK。
お題を聞いたときこれは詠みやすいな、と思いました。勝利くんの魅力というのは言葉で説明しやすく、また勝利くんを見ていると無機的で具体的な言葉が浮かぶ感覚が自分の中であったからです。
こみねさん改めこみね先生がスピーディに講評までつけてくださった第一回歌会の様子はこちらです (
短歌結社「明星」第一回歌会 お題:「佐藤勝利」 - こみねもすなるだいありー)
それでは自分の歌のいくつかについて詠んだ背景なんかをつらつらと。
欲望の棲家となりし少年の身体に注ぐ処女の経血
「アイドルはひとの夢も欲も背負うもの」「佐藤勝利に人々の抱く欲望とは『永遠に美しいまま生き続けて欲しい』ということではないか」ということを表したくて詠みました。
またこれだけ強い耽美な言葉をぶつけてもまったく佐藤勝利くんは負けないんだぞ、ということも示したかった。
少年の身体に注ぐ処女の経血 の部分は吸血鬼伝説のモデルにもなったバートリ夫人の、永遠の命を求めて処女の生き血をすするという行為を下敷きにしています。勝利くん自身は血をすすることなど求めていないので、別の、勝利くんに欲望を持った誰かが彼の身体に注ぎます。本当は「注ぎたい」というニュアンスにしたかったのですが文字数がうまくいかなかったです。
最初は
欲望の棲家となりし少年の身体に処女の生き血を注ぐ
でした。
が、アイドルに会うと肌が綺麗になる、コンサート翌日生理になった等々、美少年は女性ホルモンの分泌をうながす、というか、女性の性欲の対象となり得るのだということを表したくて経血に変えました。
詠んでから生臭い短歌をごめんね、という気持ちになりました。
あと欲望の棲家、はすみかでも住処でも棲み処でもなく棲家です。「棲む」は生息するという意味ですが欲望の野性的本能的な感じが出るとともに「凄い」「凄まじい」と漢字の形が似ているのでいいですね。
ラブアンドピースでチョキを出したんだ そっちがパーを選んだんでしょ
書きたかったのは佐藤勝利くんは「なにもしなくても勝ってしまう」ということです。今回詠んだ中では一番のお気に入り。
勝利くんのことをデビュー当時私は「無欲のセンター」だと思っていました。実際あの時の勝利くんというのはまだジャニーズに入ったばかりで、センターに立ってデビューしたいなんて露ほども思ってなかったんじゃないかと思います。
勝利くんはただいきなり「じゃーんけーん」と言われてチョキを出しただけです。どの手を出せば勝てるだろう、裏の裏をかくなら、なんてどろどろギラギラした策略なんて持たず、どちらかといえば「ラブアンドピース」がふと浮かんだ、というような無意識に平和を願う気持ちでチョキを出しただけです。
でも勝利くんとじゃんけんをした相手はこぞってパーを出し、そして敗者になるのです。という、イメージで詠みました。ここでの相手とは、ジャニーズjr.やセクゾンの残りの4人を想定しています。
勝利くんからすれば、勝手に敗者になったのに、敗者になったひとびとは勝利くんにこれまた勝手に自分の夢を託したんじゃないかなと思います。こころないことを言ったひとだっていたかもしれません。
佐藤勝利くんと言えば「マジレス」なつっこみでもあるので、口語にして本人がしゃべったような形にしてみました。不満そうなんだけどどこかお茶目にくちをとがらせて「選んだんでしょ」と生意気言いながらその夢を背負ってくれるのが、我らがセンターの勝利くんだと思っています。
ひとの子につけられた名前はココア たてがみなびく前のライオン
上の句が「ひとの子」につけられた名前がココア、なのか「ひとの子につけられた名前」がココアなのか係りがわからないのは自分でも気づいていたのですが、どうにもならなかった・・・。アドバイスしてくださる方がいればお願いします。前者です。
勝利くんはこれまたデビュー当時なのですが、私服がもさくて、得意なことがマラソンと俳句で車が好きなオタク気質なのが漏れてました。かつテレビ慣れもしていなくて初々しくてたまらなくかわいいさまが「ぺろい」とよく形容されてました。
しょりぺろとかしゅがたんというあだ名が流行ってました。かくいう私も何回か使ったことがあります。あの男の色気にあふれ帝王の風格さえある今の勝利くんにはとても言えないなと思います。
そんな気持ちをこめて詠んだ歌です。次が最後!
黄金のキツネ・飛行士・薔薇・砂漠・飛行機、僕が演じる統べて
SexyZoneといえばデビュー曲で宇宙の軍服のような衣装に薔薇のマイクで歌った姿を思い出すひとも未だにいるんじゃないかと思います。そして佐藤勝利くんといえばそのデビュー曲中での大台詞「SexyRose・・・」をいつも堂々とささやいています。
外見の美しさ含め薔薇というものはセクゾン、勝利くんの大切なモチーフなのではないかと思い使いたいと考えていました。
次に勝利くんのお写真を見ていて、この子特に笑った顔がキツネに似てるな!!!!!ああ!!!かわいい!!!!!となりました。
私は星の王子様が大好きなので、薔薇とキツネといえば星の王子様なのです。薔薇も勝利くんだし、キツネも勝利くん、そうなると墜落した飛行機(もとはエンジンで動く)だって勝利くんだし、それを操縦する飛行士も勝利くんだ、砂漠の、どこかに水をたたえながら何も無いような顔をしてそこに在り続ける、あの「無」の美しさだって勝利くんだ、と本気で思いました。
星の王子様自体はもっと似合うアイドルがいるんじゃないかな?と思うのですが、(余談ですが銀河鉄道の夜はにのあいが最高に似合います)すべての役を強引にでも自分一人でやれてしまいそうなジャニーズは勝利くんしかいないと思います。
SexyZoneのシングル曲King&Queen&Jokerでキングとジョーカーに取り合いされるクイーンをファンということにするのかなと思っていたらなんとクイーンは勝利くんだった!ファンはそれ見る役だった!という記憶が新しいです。
こみねさんには「勝利くんの舞台経験、特にJohnny’s 2020 Worldのことを思い出しました。」と言っていただけて、私はそれをこれぽちも想像していなかったので面白いなと思いました。
こみねさんの講評を読んで、私は一言で言えば推敲が足りないなと自分で思いました。感情や雰囲気のままに詠むくせがあるな、と。表現がくどい等々自分では気づかないところもたくさんあって、講評読んでて本当に為になるし楽しかったです!ありがとうございました!
さて私はTwitterでも140字ぎっちぎちにつぶやきたいひとで、切り取ることがへたで、おしゃべりが大好きな完全に長文型なので、好きに書いていいと言われるとひたすら長くなってしまいます。
お読みくださったかたありがとうございました。
次は他の方の短歌についてお話ししたいと思います。